畑のいも

日曜はかみさんの実家(兼業農家)へ米をもらいに行った。

兼業農家とはいえ、米と野菜を毎年ちゃんとつくっている。
農業をちゃんと営むのは至難の業だ。
米や野菜の知識と経験が不可欠だから。

以前参加した研修で大学の教授が言っていた。
「農業の技術をちゃんと情報として次世代に残さないといけない」と。
本当にそうだ。
義父の継承者は一体だれになるのかまだ分からないが、義父の記憶が定かなうちにちゃんと知識と技術を伝承しておかなければ畑はあっという間に荒れ地になってしまうだろう。

日曜、子どもも義父と一緒に土のなかに埋もれているじゃがいもを喜々として掘っていた。
米も人参も大根もじゃがいもも、みな土と農業を営む人々の熱意で創られ続ける。
こんな事実を目の当たりにせず「農業は大事だ」と言ってみても、土のありがたさも水の大切さもわからないくらい農業の持つ意味がわからないだろう。

だから私も微力ながらお手伝いをすることにしている。
本当に微力だけれでも、農の一端に携わることで、きっと子ども達もそんな祖父や父の姿を記憶にすり込むだろう。
そんな子ども達は米や野菜をおろそかにするはずがない、と信じている。

きっと今日も義父は畑にでて義母と二人の夕食のための野菜を畑から収穫するはずだ。

そんな些細な日常が日本にはたくさんある。
スーパーでばかり野菜を購入しても、農産物に対する思いや自然への畏敬の念は生まれようもない。

生業とせずとも、農業に貢献できることはきっとあるはず。

今日も我が家は野菜いためです。